🎪 NEXT STAGE 🎪

2019年8月
熊谷有芳 演劇生活20周年 ―ミセスアガリスクの夏―

●Mrs.fictions
ザ・ミセスフィクションズ4『月がとっても睨むから』
8/3(土)〜8/12(月) @すみだパークスタジオ倉
<公式サイト> <詳細・予約(当ブログ)>

●アガリスクエンターテイメント
第27回公演『発表せよ!大本営!』
8/15(木)〜8/20(火) @駅前劇場
<公式サイト> <詳細・予約(当ブログ)>

◎20周年記念!予約特典あります《詳しくはコチラ》


2019年01月31日

Lieber Joseph Altman

ヨーゼフ=アルトマンへ

もう何十年前なのでしょうか。あなたがわたしに宛てた手紙があったことを知りました、たった今。

あの日々を、ハンス=シュタイナーの家で暮らした日々を、わたしは今日まで1日も忘れたことはありません。

あの日々は、決して自由ではなく、窮屈で、毎日つらい報せもあったけれど、お父さんとお母さんとあなたとまた一緒に過ごせた日々は、安寧の時間をわたしに与えてくれました。

あなたとは小さい頃から一緒でした。よくうちに遊びに来てご飯を食べましたね。わたしの嫌いなものが出てくると、あなたは母に気付かれないようにコッソリと食べてくれましたね。だから、隠れ家にいた時に、何も言わずにわたしのビーツを食べようとしたあなたを見て、大笑いしたことを今でも鮮明に覚えています。「ヨーゼフ、わたしもう、ビーツ食べれるのよ!」それに、あの時は食料は全て貴重だったのだから、それを食べてしまおうとするのが、なんだかおかしかったのよ。必死で謝るあなたの顔を見て、また笑ってしまいました。毎日がそんな小さな幸せとともに在り、潜伏中の身でありながらも安らぎを得ることができました。

あの家から出て行って、大きな不安を皆んな抱えてる中で、あなたは沢山話しかけてくれて、わたしを安心させようとしてくれましたね。あの時だけじゃない、昔からずっとそうだった。ちゃんと思いを伝えたことはなかったけれど、わたしはずっとあなたに感謝していたのよ。ヨーゼフ、直接言えなくてごめんなさい。いつもありがとう。

わたしもそろそろそっちへ行くと思います。
お父さんとお母さんとあなたと、また一緒の生活が出来るのでしょうか。そうしたら…そっちでは、今度こそハンスと一緒に生きていけるのかしら。いえ、死んでしまうのに「生きていく」っていうのは、おかしいわね。それに、一緒にいるとなったら、あなたとお父さんはあの時みたいにまた反対するかしら?そうしたら困っちゃうわ。またソファに掛けて話し合わなきゃ。

ごめんなさい、あなたに宛てた手紙なのに、なんだか自問自答のようになってしまったわ。

さて、きっともうすぐチーズの載ったトラックがわたしを迎えにくるわ。そうしたらきっとまた会える。

あなたからもらった手紙と、この手紙を胸に、わたしは眠りにつきます。
それでは、おやすみなさい。


2010年1月29日

エヴァ=アイゼンシュタット



これは、アガリスクエンターテイメント第26回公演『わが家の最終的解決』でヨーゼフ役を演じた津和野諒くんが、「裏パンフ」に寄せた文章−ヨーゼフがエヴァに書いたけれど渡せなかった手紙−それに対するお返事です。

渡せなかったはずの手紙が、何十年もの月日を経てエヴァの手に渡ったとしたら。

エヴァはしわくちゃの顔で笑って、この手紙を書いたと思います。

エヴァは生きていたら今、100歳。
もしかして、この世界のどこかに…?
なんてね。


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※追記
ユダヤ教の死生観では「死後の世界」は存在しないみたいです。もちろん天国のつもりで書いたわけではないけれど、わたしの不勉強でした!でももう書いちゃったのでこのまま残しておきます。
posted by 熊谷有芳 at 18:42| Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月28日

『わが家の最終的解決』上演にあたり思うこと

こんにちは。
『わが家の最終的解決』絶賛上演中@恵比寿・エコー劇場。


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実は、WEB掲載用に書いた長ったらしいコメントがあったのですが、
諸々の事情で掲載叶わずだったので個人的にブログにあげます、今更。

この作品への願いとか、祈りとか。

ただのコメディじゃないの、わたしにとって。

以下↓



アガリスクエンターテイメントの熊谷有芳です。
待望の『わが家の最終的解決』再演。
わたしにとって、劇団に入って最初の公演だったこともありますが、思い入れの強い作品です。
この公演は、不勉強な自分にホロコーストとは・ユダヤ人とは・ナチスとは、を教えてくれました。
最近また改めて本を読んだり映像を見たりしていますが、改めて大きなショックを受けています。作品について、不謹慎だと感じる人も少なくないと思います。
センシティブな史実をコメディにするのですから。

最近、戦争がなくならないことについて考えていました。
自国を負かした敵を憎み、報復のために敵国を攻撃していては、あなたもまた戦争を始めた人になってしまうよ。
憎むべき敵と一緒だよ、と。
しかし、それが殺したいほど憎たらしい相手だということも分かるのです。
「こんな酷い目に遭わせたのだからお前らも同じかそれ以上傷つけ」という感情は、人間に備わっている機能なんじゃないかと思ってしまいます。憎しみ、報復。
現代の日本に生きてるわたし達にはあまりピンとこないものですが、まずこの感情がわからないと、本当に「愛と平和」なんて叫べないな、と思います。

こんな平和ボケしてるわたしですが初演に引き続きエヴァ役をやります。
エヴァ・オッペンハイマーは文筆を嗜み、聡明で情熱的、差別や戦争は全く許せず、隠れ住み生き延びてるだけの自分にもどかしさを感じているユダヤ人女性。
恋人はナチスの秘密警察「ゲシュタポ」の青年で、彼女にその事を隠していました。
二人の立場には大きな隔たりがあります。
でも心から愛し合っていました。


…いや「愛し合っていました」って、そんなこと本当に可能なんでしょうか?
「可能だ」と全力で叫びたい自分と、「これは…無理だ……」と絶望してしまう自分とがいます。
その二つの感情は決して交わることはなく、妥協点もなく、ただただ同時に存在してしまってるのです。
この絶望的シチュエーションラブコメディを、しっかり肌で感じて演じるにはどうしたらいいのか。
一度演じてるのに、途方も無い遠さを感じています。だってこんな悲しい歴史に救われないフィクションを足して、それを盛大にコメディにしようというのですから。

それでも、コメディです。

どんな結末になろうともそこには悲しみを乗り越えられる笑いがあるのです。

過去は決して消えないし、癒えない傷もある。
誰かに向けた大袈裟なメッセージはないかもしれないけれど、わたし達アガリスクエンターテイメントにとってはコメディを続けることこそが「愛と平和」なんだと思います。

わたしは、ただその事を信じて演じれたらいいなと思っています。

皆様のご来場を、心よりお待ちしております。


2018年12月くらいに書いた文章


熊谷有芳



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アガリスクエンターテイメント
『わが家の最終的解決』
恵比寿・エコー劇場
1/25(金)〜1/29(火)

※公演前日24時まで・当時精算のみ
posted by 熊谷有芳 at 10:59| Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月23日

劇場入り

劇場入りでーす!
わーい!

昨日は髪を切るってかパーマかけた!

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なんか痩せた?
ってまーた言われちゃいそうな頬のラインですね!
役づくりです!(大嘘)


まだまだバタバタしそうだけど、
衣装の仕事もようやく終わりが見えてきたし、
ちょっと気が楽になってきた。

あとはとにかく演技に集中ッッ…!!!


2日後から始まるよ、
ぜひとも観に来てくださいdon't miss it!!!だよこれは!!!



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『わが家の最終的解決』
2019.1.25(金)〜1.29(火)
恵比寿・エコー劇場

▼チケット予約▼

posted by 熊谷有芳 at 09:56| Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする